第56回系外惑星系セミナー
   
日時 2009年7月2日(木)16:30〜
場所 宇宙科学研究本部相模原キャンパス
研究管理棟6階1606号室

交通案内

※都内・近郊の方は、直接お越しくださるようお願い致します。

TV会議接続 <1>各サイトのTV会議システムで,Gate Keeper を設定してください.
Gate Keeper IP Address:133.74.36.66
または 133.74.36.66:1719
どちらが適した設定であるかはシステムによります.
<2>一般のユーザーの画面で,通常はIPアドレスを入力する部分に, 「会議室番号」(毎回変わります)を入力して,接続してください.
<3>接続されると,英語のメッセージでパスワードの入力を促され ますので,パスワードを入力してください.「*」から入力する必要が ある場合もあります.

接続に必要な,会議室番号,パスワード等は別途各サイトの担当者に 連絡いたします.開始時間が遅れないよう,あらかじめの接続に ご協力ください.
スケジュール 16:30-17:30 小谷隆行さん (宇宙研)
17:40-18:40 立浪千尋さん(東工大)
(講演順が入れ替わる場合もあります)

光ファイバーを使った超高コントラスト回折限界撮像法
FIRST: Fiber ImageR for Single Telescope

小谷隆行さん (宇宙研)
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近年、補償光学(AO)の発展により、大気の乱れを取り除き、回折限界かつ高コン トラストのイメージングを行うことが可能になってきた。しかし現在のAOでは、 回折限界に非常に近い領域(~lambda/D)で、高コントラスト(>104)を達成する ことは難しい。また可視光では、大気ゆらぎが厳しく、現在のAOは近赤外線観測 に最適化されているため、回折限界の像を得ることさえ難しい。 FIRST (Fiber ImageR for Single Telescope) は、Aperture Maskingとシングル モード光ファイバー干渉計を組み合わせることにより、AOを使わずに大気の影響 をほぼ完全に取り除くことができる、画期的な手法である。光ファイバーによっ て大気の乱れを取り除き、瞳の再配置をすることによって、主星に非常に近い領 域(~lambda/D)において、可視・近赤外線で105以上という、これまでにない高 いコントラスト観測が可能になる。 我々はパリ天文台でこの装置のプロトタイプを作成中であり、最近実験室での実 証実験に成功したところである。今秋にパリ天文台の口径1m望遠鏡でテスト観 測を行い、2010年には3-4メートル級の望遠鏡での観測を予定している。本講演 では、プロジェクトの紹介と、実験室でのコンセプト実証実験について述べる。
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スーパー地球の内部熱進化と固有磁場の寿命について
立浪千尋さん(東工大)
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 近年の観測精度の向上によって観測可能となってきた5〜10地球質量 程度の系外惑星はスーパー地球と呼ばれ、惑星形成モデルに照らすと、 岩石マントルと金属コアからなる地球型惑星である可能性がある。 地球型惑星の金属コアの冷却速度が十分に速ければ、対流によるダイナ モ作用が生じ、固有磁場が作られる。金属コアは、周囲を覆う岩石マン トルが熱を運び出すことで冷却する。つまり、地球型惑星の固有磁場の 寿命はその内部熱進化によって決まる。この固有磁場は、惑星の内部構造を推測 するにあたって観測可能な要素であると考えられ、中心星からの恒星風や 宇宙線の侵入を防ぐなど、惑星の表層環境を決める要因でもある。  そこで本研究では、地球型惑星の内部熱進化モデルを構築し、様々なサイズの 系外スーパー地球の熱史をシミュレートして、固有磁場の寿命を求めた。本発表 ではこの固有磁場の寿命を決める要因について議論する。
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