第69回系外惑星系セミナー




交通案内

※近郊の方は、直接お越しくださるようお願い致します。

   
日時 2011年5月12日
木曜日 16:10-18:40
場所 東京大学 本郷キャンパス 理学部1号館 C棟3階 336室
TV会議接続会議室番号:
スケジュール 16:10-17:10 佐野孝好さん(大阪大学レーザーエネルギー学研究センター)
17:20-18:20 大宮正士さん(東京工業大学)
講演順が入れ替わる場合もあります

レーザー衝撃圧縮による超高圧水素の状態方程式計測
佐野孝好さん(大阪大学レーザーエネルギー学研究センター)
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超高圧下での水素の状態方程式は、木星に代表される巨大ガス惑星の内部構造 を探る上で極めて重要である。しかし、木星内部のような超高圧下における状 態方程式は、理論的にも実験的にも決定的なモデルが存在してないのが現状で ある。特に、水素分子から金属水素への遷移領域での状態方程式の不確定性は、 木星内部構造の理論モデルにおいて深刻な問題である。木星中心部に存在する 固体コアの質量が未だに決定できていないのは、この不確定性が主要な原因と なっている。 そこで我々は、超高圧下での水素の状態方程式を実験的に検証することを目的 として、大阪大学レーザーエネルギー学研究センターにある激光XII号レーザー を用いた衝撃圧縮実験を4年ほど前から行っている。最終的には、木星内部の 遷移層と同じ物理条件を実験室で再現し、水素の状態方程式や金属化の証拠に ついて調べていきたいと考えている。本セミナーでは、レーザー実験の方法や これまでの実験成果について紹介する。
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日韓協力による惑星探索と 中質量巨星の惑星系
大宮正士さん(東京工業大学)
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中質量(1.5~5太陽質量)星の惑星系の特徴は太陽型星の それとは異なっているようだ。近年、精力的に進められてい る、ドップラー法を用いた中質量”巨”星の惑星探索によって、 中質量星の惑星系の特徴が徐々にわかってきた。例えば、 1) 太陽型星では主星近傍にも惑星が多数見つかっている のに対して中質量巨星の惑星の大多数は主星からある程 度離れた軌道(>0.6AU)を公転している、2) 主星質量が重 くなるほど重い惑星を持つ傾向があり、重い中質量星の 惑星欠乏を示唆する。 我々は、2005年から、日本の岡山天体物理観測所188cm 望遠鏡と韓国の普賢山天文台180cm望遠鏡を用いて、ドッ プラー法による、中質量巨星の惑星探索を進めている(G型 巨星における惑星系の日韓共同探査)。本研究では、両国 での観測により、効率的に惑星検出を行っていくことを目指 していて、これまでに褐色矮星と惑星を各一個発見した。 本トークでは、日韓共同探査の成果を中心に中質量星の惑 星系を議論する。また、これまでの観測結果を受けて新しく 始めた惑星探索も紹介する。
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