第75回系外惑星系セミナー

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交通案内

※都内・近郊の方は、直接お越しくださるようお願い致します。

   
日時 2012年06月27日(木) 13:30-16:30
場所 国立天文台 すばる棟2階TV会議室
TV会議接続会議室番号:
スケジュール 13:30-14:30 日下部展彦さん(国立天文台)
14:40-15:40 奥住聡さん(名古屋大学)
講演順が入れ替わる場合もあります

「High-Contrast NIR Polarization Imaging of MWC 480」
13:30-14:30 日下部展彦さん(国立天文台)
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MWC 480はミリ波で最も明るい天体の一つであり、赤外領域で変動する SEDも検出されており、星周円盤の存在も以前から示唆されていた。 しかし、何度かにわたりHSTやすばるによる高分解能の観測をしたにも かかわらず、過去に一度だけのmrginal detectionのみで、それ以降は 円盤の直接撮像の結果はなかった。このことは、極めて平らな円盤と円 盤のごく内側の膨らんだ領域によるshadowing の影響が考えられる。 今回、この天体をSubaru/AO188/HiCIAO で高コントラスト偏光観測を行い、 直接撮像が成功した円盤について紹介する。
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(1) 「ダストアグリゲイトの内部密度進化による氷微惑星形成」
(2) 「惑星形成過程の円盤大局磁場依存性」

14:40-15:40 奥住聡さん(名古屋大学)
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(1)近年のアグリゲイト数値衝突実験の結果は、原始惑星系円盤のダストが 衝突成長とともに極めて低内部密度のアグリゲイトへと進化することを 示唆している(Suyama et al. 2009,2012)。この発表では、アグリゲイト の内部密度の進化を考慮したダスト成長の統計シミュレーションを示し、 低内部密度アグリゲイトは中心星方向への落下を免れながら成長する傾向 にあることを明らかにする(Okuzumi, Tanaka, Kobayashi, & Wada 2012, ApJ, 752, 106)。
(2)円盤ガスの乱流は、ダストや微惑星の衝突進化に重大な影響を与える。磁気 回転不安定性(MRI)の駆動する乱流の強度は、乱流の種である大局的鉛直 磁場の強度に依存することが知られている(Gammie et al. 1995; Suzuki et al.2010)。特に、MRIの安定化される「デッドゾーン」が円盤赤道面付近 に存在する場合、この依存性はより顕著に現れる (Okuzumi & Hirose 2011)。 本発表では、デッドゾーン中での微惑星の形成と成長を議論し、大局的鉛直 磁場の弱い環境(<10-100mG)であれば、微惑星の形成・成長に対する乱流の 妨害が抑えられることを示す(Okuzumi & Hirose 2012, ApJL, 753, L8)。
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