第77回系外惑星系セミナー


交通案内

※都内・近郊の方は、直接お越しくださるようお願い致します。

   
日時 2012年11月15日(木) 13:30-16:00
場所 本郷キャンパス理学部1号館843
TV会議接続会議室番号:
スケジュール 13:30-14:30 寺田 健太郎さん(大阪大学)
14:40-15:40 門屋 辰太郎さん (東京大学)
講演順が入れ替わる場合もあります

「太陽系の年代学 〜基本的な考え方と最近の動向〜 」
13:30-14:30 寺田 健太郎さん(大阪大学)
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太陽系がいつ誕生し、どのように進化してきたのかを知るために、隕石中の放 射性核種の崩壊を利用した年代分析が行われている。太陽系の年齢と比べ、半減 期の長い長寿命核種から得られる「絶対」年代分析と、半減期が1億年よりも短 い短寿命核種(消滅核種)から得られる「相対」年代を巧みに組み合わせること で、太陽系史の精密解読が可能となる。ここ10年の分析技術の向上は著しく、 初期太陽系における、塵〜微惑星〜原始惑星への進化が、有効数字5桁、即ち数 十万年の誤差で議論ができるようになってきた。当日は、「太陽系の年代学」の 基本的な考え方、最近の動向、および、私が取り組む「局所絶対年代分析」で見 えてきた重要な知見について紹介する。
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「炭素循環の機能する水惑星の,表層環境とその進化の推定」
14:40-15:40 門屋 辰太郎さん (東京大学)
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従来,ハビタブルゾーン(HZ)は,液体のH2Oの存在に着目して,中心星放射量から 制約が与えられてきた(e.g., Kasting et al., 1993).しかし,たとえHZ内にH2Oを 大量に保持する惑星が存在していたとしても,惑星大気の温室効果が弱ければ, H2Oは液体として惑星表層に存在することはできない.
ここで地球を例に考えると,主要な温室効果気体であるCO2は炭素循環を通じて, 大気中の量が調整されており,また,この炭素循環に付随する負のフィードバック によって,地球は温暖環境を維持してきたと考えられている(Walker et al., 1981).
Kastingら(1993)は,地球と同様な炭素循環が機能することで,HZ内の惑星は 温暖環境を維持し,表層には液体のH2Oが存在しているだろうと仮定した. しかし,近年の研究によって,炭素循環が働いていたとしても,その構成要素の 1つで ある,CO2脱ガスが弱ければ,地球でさえ全球凍結をするということが明ら かになっている(Tajika, 2003).これはKastingらによる仮定が条件によっては妥当 でないということである.
そこで,本研究では,気候モデル(Energy Balance Model: e.g., North et al., 1981)と二酸化炭素収支モデル(Walker et al., 1981)を結合し,中心星放射量とCO2 脱ガス率について系統的な議論を行うことで,炭素循環が機能する惑星の表層 環境を検討した. また,中心星放射量やCO2脱ガス率の時間変化を追うことで, 惑星表層環境の進化についても議論を行なっている.本セミナーでは,これらの 結果について紹介を行う.
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