第199回 | |
日時 | 平成11年6月23日(水)17:00より |
場所 | 東京工業大学理学部地球惑星科学教室会議室 石川台2号館315号室 |
講 演 者: | 中嶋 悟(東京工業大学理工学研究科) |
講演題目: | 有機無機相互作用による新しい地球化学的生命起源仮説: 鉱物表面での有機分子の脱水-縮重合 |
内容: | 生命の起源については,惑星空間での紫外線や放電エネルギーを用いたアミノ酸などの生命の材料分子モノマーの生成が研究されている.また,生化学などの分野では,ポリマーとなったタンパク質やRNAが進化していく過程の研究が行われている.しかしながら,地球という場で,これらモノマーがどのようにしてポリマーになったのかという点は,いまだに不明である. ここでは,縞状鉄鉱層を生命生成の場と想定し,その構成物である水和シリカや水酸化鉄などが水中で脱水縮重合して石英や鉄鉱物になる際,その表面に吸着したアミノ酸などが,これらの鉱物表面を”触媒”にして脱水縮重合してポリマー化し得るという仮設を述べる.最近の我々の模擬実験では,水和シリカゲルとある種のアミノ酸溶液を180度で煮たところ,約10日後,膜状物質が生成した.今後東工大での5年間に,この予備実験をさらに定量化し,上記の新しい仮説を実証していきたい. 話の手順: 1.中嶋の研究全貌の簡単なレビューと今後5年間の研究計画 2.有機無機相互作用と地球の進化,物質循環 3.有機無機相互作用による新しい地球化学的生命起源仮説: 鉱物表面での有機分子の脱水-縮重合 |