第202回 | |
日時 | 平成11年7月14日(水)17:00より |
場所 | 東京工業大学理学部地球惑星科学教室会議室 石川台2号館315号室 |
講 演 者: | 松井 洋(東京工業大学理工学研究科) |
講演題目: | 科学衛星Geotailによる電場計測 |
内容: | 磁気圏中のプラズマは磁力線に垂直方向の電場によりドリフト運動を行なっている。そのため衛星周囲の電場を調べることはプラズマの輸送という磁気圏物理学の重要な問題と関連している。 Geotail衛星には電場測定が可能な機器が3種類、すなわち、プローブ法電場計測器、低エネルギー粒子計測器、ビーム法電場計測器が搭載されている。しかし、プローブ法計測器、粒子計測器は、それぞれオフセットが乗る、測定限界がある、などの面で、望まれる精度の計測が可能かどうか疑問である。 一方、ビーム法電場計測器は、精度の高い観測が可能であると期待されるが、開発途上でありデータ処理に細心の注意を払う必要がある。 そこで、本発表では、まず上の3種類の電場計測法について概略を述べ、処理されたデータ例を示す。次に、得られた電場を用いた磁気圏物理の研究対象について述べる。密度データとあわせることにより、Geotail衛星の飛翔する磁気赤道面における電離層起源プラズマの流出総量が推定可能となる。Geotail衛星とは他の領域を飛ぶ衛星のデータを用いることにより、磁気圏の形状などを調べることが可能となる。また、これまで報告例が少ない磁力線に平行な成分の電位差を推定することも可能となる。 |