第208回  
日時 平成11年12月15日(水)17:00より
場所 東京工業大学石川台2号館315号室(地球惑星科学教室会議室)
講 演 者: 鳥海光弘(東京大学新領域創成科学研究科)
講演題目: マントル物質のカイネティクスとレオロジイ
内容:  マントルの運動のうち、プレート運動は表面付近と沈み込み境界の実測可能な変位から明解であるが、海嶺下部の運動はマグマの発生と移動に関係しておりはっきりしていない。また、660kmまでや下部マントル全域の運動が予想されるようにハードな乱流状態でプリューム運動となっているのかは明らかではない。物性からみると粘性率の温度依存性や圧力依存性、粒径依存性、水の含有率や不純物含有率などによる効果が大きく、また、固体反応と相転移が起こるために、単純なNS方程式と構成式による大規模な運動は想定しにくい。しかし、全く乱雑な運動とも考えにくいことは表面付近でのプレート運動から推定される。
 そこで、今回はいろいろなキネティクスの実験的データを整理して、自然なプレート運動を前提にした粘性率分布を推定し、マントルの運動を考える。