第221回 | |
日時 | 平成12年12月6日(水)17:00より |
場所 | 東京工業大学理学部地球惑星科学教室会議室 石川台2号館315号室 |
講 演 者: | 土屋 卓久(東京工業大学・地球惑星科学専攻) |
講演題目: | 圧相転移と物性 −計算機シミュレーションによるアプローチ− |
内容: | 圧力や熱誘起による物質を取り巻く環境の変化に即応して物質がその環境において平衡化する過程に構造相転移,分解,離溶,融解,結晶化など色々な構造変化現象があらわれる.高温高圧下での地球科学的研究対象は,ほとんどが格子系の変位に関する現象であり,特に圧力誘起による結晶構造転移,分解などの現象の理解は,原子の配列や変位についての理解と考えることができる. 分子動力学法や電子状態計算法など理論計算法は,今日では結晶構造のみならず弾性や磁性といった物性の定量予測を可能とするまでに発展してきている.その結果,より本質的なレベルから現象の機構解明が可能となってきた.本発表では我々が開発・改良をおこなってきた最新の計算物質科学の手法を紹介し,計算機シミュレーションによる鉱物物性計算について説明する.また,石英,ルチル,岩塩型物質,ぺロブスカイトなどの計算例に基づき,圧力誘起構造相転移と物性との関連性を論じる. |