第231回  
日時 平成13年10月10日(水)17:00より
場所 東京工業大学理学部地球惑星科学教室会議室
石川台2号館315号室
講 演 者: 福間 浩司(熊本大学理学部環境理学科)
講演題目: 環境磁気学 - 磁気的方法を使った古気候の研究
内容:   堆積物の磁気的性質から環境汚染や古気候の情報を得る分野は環境磁気学と呼ばれ,過去10年間に応用の範囲が広まるとともに測定方法も洗練されてきた.私は最近少量の試料で様々な磁気的性質が得られる磁気ヒステリシス測定を中心にして,1)中国大陸の黄土,2)北太平洋のダスト堆積物,3)深層水循環によるドリフト堆積物 を対象として過去数十万年間の気候変動の記録を追ってきた.ヒステリシス特性は,ダストなど磁性鉱物の供給源の変化だけでなく,土壌化や続成作用など堆積後の過程を通じて古気候を記録していることが明らかになってきた.このセミナーでは,基本的な岩石磁気学の知識をベースにして,どのように磁気的方法を組み合わせれば単なる磁気データから古気候の情報に至ることができるかを議論する.