第233回 | |
日時 | 平成13年11月28日(水)17:00より |
場所 | 東京工業大学理学部地球惑星科学教室会議室 石川台2号館315号室 |
講 演 者: | 柴田 一成(京大理附属花山天文台) |
講演題目: | 太陽における電磁流体現象 |
内容: |
現代は太陽観測の黄金時代である。1991年に打ち上げられた
わが国の太陽X線観測衛星「ようこう」は太陽研究を一新し、フレアにおいて
磁気リコネクションが中心的な役割を果たしていること、コロナは誰が予想
したよりもはるかに激しく活動していること、などを明らかにした。
その後の欧米のSOHO 衛星(1995年打ち上げ)、TRACE 衛星
(1998年打ち上げ)も、「ようこう」同様に多くのリコネクションの証拠や
予想外の激しい活動を次々と発見し、「ようこう」と共に
今なお日々太陽の驚くべき素顔を明らかにしつつある。また、わが国の
地上観測(京大飛騨天文台、国立天文台野辺山太陽電波観測所など)の活躍や
スーパーコンピュータによる電磁流体数値シミュレーション研究の発展も
見逃せない。
本講演では、これらの発展著しい太陽観測によって一新された 太陽研究の現状を紹介し、太陽フレアやコロナ質量放出などの電磁流体爆発現象 は どこまで解明されたのか、残された問題点は何か、などについて、 観測ムービーやシミュレーション・ムービーをふんだんに交えながら解説する。 また、時間があれば、恒星フレアや原始星フレアなど類似の天体電磁流体現象 についてもコメントしたい。 |