第245回
日時 平成14年10月23日(水)17:00より
場所 東京工業大学理学部地球惑星科学教室会議室
石川台2号館315号室
講演者 高橋栄一(東京工業大学, 地惑)
講演題目 ハワイホットスポットの素顔:サバティカル報告
内容、 1年間のサバティカルを利用してハワイホットスポットの研究
に専念しました。夏の7−8月をJAMSTECの深海調査船
「しんかい6500」によるハワイ調査に当てたほか、
イギリス、ドイツなどの大学・研究所にも短時間滞在しました。
このセミナーでは、深海調査から浮かび上がったハワイ
ホットスポットの全体像について解説します。これまでの
ハワイ研究は陸上に露出する大型の楯状火山に限定
されていました。これに対して我々は直径1000kmに及ぶ
ハワイホットスポットの全域で何が進行しているかに初めて
スポットを当てます。地球上で最大級の山体崩壊、深海底を
200kmも流れた洪水玄武岩、これらの研究を通じて
ホットスポットの下にあるマントルプルームの謎について迫ります。

地惑セミナーの写真、講演に対するコメント


第245回の地惑セミナーは、皆様ご存知の東京工業大学・地惑の高橋栄一教授に、
「ハワイホットスポットの素顔:サバティカル報告」という題で御講演頂きました。

ハワイホットスポットによる火山は大部分が海中にあり陸地となっている部分はほん
の1部分にすぎません。そこで、「しんかい6500」などの調査船を用いてサンプルを
採取し,また詳細な海底図を作って,ハワイ火山群の真の姿を探るとともに、その形
成過程を理解することで、その火山の元となっているホットスポット、そしてマント
ルプルームの形状や性質についても明らかにしようとしています.本講演では、ハワ
イ下のマントルプルームの形状は従来考えられていたものより温度が低く薄いのでは
ないかとの研究を紹介して頂きました。今後、ハワイマントルプルームの解明がマン
トルプルーム、地球内部構造の解明につながることを期待しています。

地球の内部構造の概要や未解決の問題点の説明から、その解決の手段としてのハワイ
ホットスポットの研究があるという、研究の位置付けの説明から御講演していただい
たので自分の専門と大きく違う分野の内容でしたが大変分かりやすく聴くことができ
勉強になりました。