第254回  
日時 平成15年7月9日(水)17:00より
場所 東京工業大学理学部地球惑星科学教室会議室
石川台2号館315号室
講 演 者: 木下 大輔(太陽系外縁部探査 日本学術振興会 / 国立天文台)
講演題目: 太陽系外縁部の小天体の観測について
内容: 1992 年に初めての TNO (Trans-Neptunian Object) である 1992 QB1 が発 見されて以来、これまでに海王星軌道の外側に 600 個以上の TNO が検出さ れている。これら太陽系外縁部の小天体は微惑星の生き残りであると考えら れており、その大きな日心距離のため太陽による加熱の影響が小さく、太陽 系形成初期の情報を比較的よく保存していると考えられている。したがって、 太陽系の起源と進化を調べる上で、これらの天体のサイズ分布、空間分布、 またアルベドや密度、表層物質の組成などを明らかにすることは重要である。 国立天文台の太陽系天体観測グループでは太陽系外縁部探査を進めている。 TNO について、これまでに明らかになった点、未解決の問題を概観した上で、 すばる望遠鏡と主焦点カメラ "Suprime-Cam" を用いた我々の探査結果を報 告する。また、国立天文台の観測所プロジェクト "SXDS" (Subaru XMM-Newton Deep Survey) のアーカイブデータを用いた多色サーベイ計画に ついても紹介する。