第256回 | |
日時 | 平成15年7月23日(水)17:00より |
場所 | 東京工業大学理学部地球惑星科学教室会議室 石川台2号館315号室 |
講 演 者: | 小屋口 剛博(東京大学大学院新領域創成科学研究科複雑理工学専攻) |
講演題目: | 火山噴火に伴うマグマ上昇のダイナミックス |
内容: |
火山噴火に伴ってマグマが上昇し減圧すると,マグマ中の揮発成分が
気相となって析出する.気相の量が少ない時点では液体中に気泡が
散在する流れ(気泡流)として上昇するが,気相の量が増加すると
気相中を液体マグマの破片が分散する流れ(噴霧流)として流れる.
火山噴火の諸性質を理解する一つの鍵は,マグマが主に気泡流として
上昇するのか,あるいは,噴霧流として上昇するのかということにある.
しかしながら,どのような流動様式がどのような割合で選択されるのかは,
マグマの物性や地球科学的な条件(マグマ溜りの深さや火道の径)に
関わる様々な要因に支配されており,単純には予測できない.そこにこの
問題の難しさがある. 本セミナーでは,気泡流,噴霧流それぞれのダイナミックスの本質, および気泡流から噴霧流へ移り変わる条件を整理することによって, この問題の全貌を可能な限りすっきりと展望することを試みたい. |