第270回 | |
日時 | 平成16年10月27日(水)17:00より |
場所 | 東京工業大学理学部地球惑星科学教室会議室 石川台2号館315号室 |
講 演 者: | 石川 晃 氏 (岡山大学固体地球研究センター) |
講演題目: | 放射性起源同位体を用いたマントル捕獲岩の年代測定について |
内容: |
火山活動に伴い地表にもたらされるマントル捕獲岩は、地球の大部分を占めるマントルの化学組成に制約を与える最も直接的な情報源であり、その元素存在度
はコンドライト様物質からコアを分離した始源的マントルの組成見積りなどに広く用いられている。一方、地球形成直後に完了したとされるコアの分離以降、
現在まで引き続く地殻の生成に伴ったマントルの組成進化過程については、地殻物質を対象とした放射性起源同位体による地球化学的研究に比べ、マントル捕
獲岩研究の果たしてきた役割は非常に限られる。その本質的原因の一つが、従来法であるRb-SrあるいはSm-Nd年代測定では、正確な年代情報の抽出
が困難、あるいは不可能であることに由来する。本セミナーでは演者がソロモン諸島、マライタ島に産するマントル捕獲岩に適用したRb-Sr、Sm-Nd
年代測定の詳細とその適用限界について主に紹介する。また時間が許せば、近年広く普及するに至ったLu-HfおよびRe-Os年代測定法のマントル物質
に対する有用性についても触れたい。
|