第272回  
日時 平成16年11月24日(水)17:00より
場所 東京工業大学理学部地球惑星科学教室会議室
石川台2号館315号室
講 演 者: 岡本 美子 氏 (茨城大学理学部自然機能科学科)
講演題目:
星周円盤のダストを中間赤外線分光で探る
内容: 最近の天文観測の発達によって、他の星の星周円盤観測から惑星系の形成を 調べることが可能になってきた。我々のグループでは特に中間赤外線を用い た円盤観測を進めてきた。中間赤外線帯は、様々なダストからのバンド放射 が観測されるため、円盤の中の固体物質の進化をダストサイズ・結晶状態・ 組成などの観点から追うのに適している。また、円盤の内側のせいぜい数十 天文単位以内にある温かいダストからの熱放射を見るため、円盤の内側の まさに惑星が生まれるような領域を調べることができる。本講演では、円盤 のダスト観測の現状について、特にシリケイトダストを中心に概観する。 その上で、昨冬に行った、がか座ベータ星の高空間分解能な中間赤外線分光 の結果について紹介する。そこでは、円盤内でダスト供給が起こっている場 所を特定することに初めて成功した。この新たに見えてきた円盤のごく内側 の構造、「微惑星帯」について紹介する。