第273回  
日時 平成16年12月8日(水)17:00より
場所 東京工業大学理学部地球惑星科学教室会議室
石川台2号館315号室
講 演 者: 高橋 嘉夫 氏 (広島大学地球惑星システム学専攻)
講演題目:
希土類元素パターンが持つ情報の新側面
内容: 最近の天文観測の発達によって、他の星の星周円盤観測から惑星系の形成を 調べることが可能になってきた。我々のグループでは特に中間赤外線を用い た円盤観測を進めてきた。中間赤外線帯は、様々なダストからのバンド放射 が観測されるため、円盤の中の固体物質の進化をダストサイズ・結晶状態・ 組成などの観点から追うのに適している。また、円盤の内側のせいぜい数十 天文単位以内にある温かいダストからの熱放射を見るため、円盤の内側の まさに惑星が生まれるような領域を調べることができる。本講演では、円盤 のダスト観測の現状について、特にシリケイトダストを中心に概観する。 その上で、昨冬に行った、がか座ベータ星の高空間分解能な中間赤外線分光 の結果について紹介する。そこでは、円盤内でダスト供給が起こっている場 所を特定することに初めて成功した。この新たに見えてきた円盤のごく内側 の構造、「微惑星帯」について紹介する。