「惑星の揺りかごは円盤」であった。
私達の住む地球も、地球から遥かかなたに存在する太陽系の外にある惑星も、恒星の
まわりをとりまく「円盤」の中で成長していったと考えられています。その円盤の中
で、ほんのミクロンメートル程度の塵がだんだんと集まり、1キロメートル程度の
「微惑星」、地球の10分の1程度の「原始惑星」を経て、現在の地球のような岩石で
できた「地球型」の惑星になったというわけです。
ただ、私達の太陽系においても、個々の惑星がどのように出来たかは実はまだあまり
わかっていません。
ところで、現在私は太陽の半分くらいの質量の恒星(
「M型星」といいます)のまわ
りで、地球型の惑星がどのように出来るのかを研究しています。
「太陽系がわかってないのにどうしてM型星なんていう星のまわりを研究するの
か?」と思われるかもしれませんが、簡単に言うとM型星が
「アツい」のです。
2007年の春に、初めて太陽系の外に地球と同じように海
があるかもしれない惑星が発
見されましたが、それはM型星をまわっていたのです。しかし、発見されたはいいで
すが、それが「どのように作られたのか」ということは全くわかっていませんでし
た。
そこで私はGRAPEというスーパーコンピュータを使って、M型星のまわりで微惑星か
ら地球型の惑星を作るシミュレーションをしています。
結果の一部だけ紹介しますと、M型星のまわりでは、海が存在する惑星がたくさんあ
るかもしれません。
近年、観測技術が日進月歩しており、次々と新しい惑星が発見されてきています。
きっと近いうちに、もっと地球に似た惑星も発見されるでしょう。
ひょっとしたら、遠く離れた場所で、私達のように「どのように惑星が作られたか」
という謎に頭を悩ませている生命体がいるかもしれません。
そんなことを考えながら、日々研究しています。