第303回

日時 平成19年2月6日 水曜日 午後5時より
場所 東京工業大学 石川台6号館 404号室 
<講師> 渡部 直樹 先生 (北海道大学 低温科学研究所 雪氷物性・惑星科学研究室)
<題名> 「氷星間塵:有機分子生成と重水素濃集の舞台」

宇宙空間には比較的高密度のガスとサブミクロンサイズのアモルファス氷微粒子(氷星間塵)が浮遊する10K程度の低温領域(分子雲)が存在する.分子雲では低温にもかかわらず,多種多様な分子が生成・進化(化学進化)している.化学進化過程として気相におけるイオン-分子反応が知られているが,水素分子,水分子,有機分子の生成には氷星間塵表面反応が必要不可欠である.また,最近の我々の研究から,氷星間塵表面反応は有機分子における重水素濃集過程としても極めて重要であることが分かった.講演では,これまでの氷星間塵表面反応の研究を概観し,最近の我々の研究について解説する.


Last-modified: 2008-02-28 (木) 14:59:17 (5914d)