第308回

日時 平成20年7月16日 水曜日 午後5時より
場所 東京工業大学 石川台6号館 404号室 
<講師> 丸岡 照幸 先生 (筑波大学大学院 生命環境化学研究科 生命共存化学専攻 環境病理学分野)
<題名> 「生物大量絶滅と酸性雨」

生物大量絶滅の引きがねの候補として、洪水玄武岩マグマの噴出のような大規模 火山活動や隕石・彗星といった地球外天体の衝突が挙げられることが多い。これ ら二つのイベントはともに硫酸酸性雨を伴うことが予想されている。火山活動に おいては火山ガスを起源として、地球外天体の衝突においては小天体に含まれる 硫黄の酸化によって、それぞれSO2が大気に放出されるが、最終的には硫酸酸性 雨として地表に到達する。この二つのイベントに関連するSO2放出はその継続時 間がまったく異なるので、それを利用して起源を推定することが可能である。し たがって、堆積岩から酸性雨の証拠となる地球化学的指標を読み取り、その継続 時間を議論することにより、火山活動・小天体衝突のどちらが関与しているのか を議論することができる。講演では硫黄濃度や硫黄同位体比といった指標を用い ることで、どのような議論ができるのかについて紹介したい。


Last-modified: 2008-07-08 (火) 17:00:27 (5764d)