第310回

日時 平成20年10月15日 水曜日 午後5時より
場所 東京工業大学 石川台6号館 404号室 
<講師> 竹内 拓 先生 (神戸大学 理学研究科・地球惑星科学専攻)
<題名> 「惑星形成期のダストの運動(特に光泳動)および成長過程について」

惑星の形成過程において、ダストが原始惑星系円盤内でどのように移動していくのかは、重要な問題である。微惑星の形成期においては、ダストの移動により、ダストが局所的もしくは大局的に濃集して、そこで微惑星ができたのではないかと推測されている。太陽近傍で生成されたCAIや結晶化シリケイトが、太陽系星雲の外側へ移動した可能性も議論されている。また、恒星の周りにダストの円盤が観測されるベガ型星には、彗星サイズの天体が多数回っていると思われるが、ダスト円盤の構造から彗星の分布を出すには、ダストの移動を知らなければいけない。2005年に光泳動という現象が、ダストの移動に重要かもしれないと指摘された。光泳動は、ガス中にあるダストに光を当てると反対側に動き出すという、実験室では簡単に見られる現象である。惑星形成期に光泳動が効率的に働けば、上記のダスト移動の問題に多大な影響を与える。しかし、惑星形成期において、光泳動が効率的に働く環境(中心星の光が直接当たること)は限られている、また、ダストの回転など光泳動を阻害する要因があるため、光泳動は重要ではない、とも言われている。このセミナーでは、光泳動が惑星形成のどのような場面で重要になるか(ならないか)を議論したい。時間があれば、ダストの衝突合体による微惑星形成過程についても少し議論したい。


Last-modified: 2008-10-07 (火) 21:59:06 (4759d)