第324回

日時 平成21年7月29日 水曜日 午後5時より
場所 東京工業大学 石川台6号館 404号室 
<講師> 西原 遊 先生 (愛媛大学 上級研究員センター 上級研究員)
<題名> 「マントル物質のレオロジー」

地球内部の熱史はマントル対流の様式に大きく依存する。 そのため地球の進化を理解するためには、 マントル対流を担っている岩石の流動に関する性質(レオロジー)を理解する ことが重要である。 これまでの多くの研究によって上部マントル物質のレオロジーは定量的な理解 が進んでいるのに対し、 より深部の遷移層、下部マントルの物質のレオロジーは定量的にほとんど理解 されていない。 これはこれまで地球深部に相当する高温高圧下での精密な変形実験が困難であ ったためである。 今世紀に入って以降、新しい高圧変形実験装置が相次いで開発され、 ようやく上部マントル以深のレオロジーの研究がスタートしたところである。 本講演では、まずカンラン石を例に鉱物の変形機構(転位クリープ、拡散ク リープなど)について解説する。 そして、地球深部に相当する高温高圧下での鉱物のレオロジー解明に向けた、 講演者らの最近の取り組みについて紹介する。


Last-modified: 2009-07-25 (土) 16:39:56 (5389d)