第328回

日時 平成21年12月2日 水曜日 午後5時より
場所 東京工業大学 本館H111号室
<講師> 江守 正多 先生 (環境研究所 地球環境研究センター 温暖化リスク評価研究室)
<題名> 地球温暖化論争と21世紀の気候変動予測

ポスター

<人為起源CO2が過去140年の温暖化の原因か?> 20世紀後半以降の温暖化の原因は、気候モデルを用いたシミュレーションにより定量的に分析されており、人起源温室効果ガスの増加が主因であることは明瞭である。他の可能性を検討することはもちろん重要であるが、

  • 他に主因があるとすれば、人為起源温室効果ガスによってもたらされるはずの加熱はどこにいってしまうのか?
  • 成層圏の寒冷化を説明できるか?

などを含めて検討された上で説得力のある対立仮説を寡聞にして知らない。

<21世紀の気候変動予測> 将来の温室効果ガスの増加のみを考慮すれば、21世紀に気温の上昇傾向が続くことは明らかである。もちろん、太陽活動、火山活動等の自然条件が想定外の変化を起こせば、この限りではない。ただし、古気候の観点も含めて注意深く考察した上で、太陽活動や軌道要素の変化については近い将来に大きな寒冷化をもたらしそうにないことを結論することができる。


Last-modified: 2010-05-19 (水) 23:30:52 (5091d)