第333回

日時 平成22年7月14日 水曜日 午後17時より
場所 東京工業大学 石川台2号館 318号室 
<講師> 町田 正博先生  (国立天文台 理論研究部)
<題名> 分子雲コアからの円盤形成とガス惑星の形成可能性

星形成の母体となる分子雲コアは角運動量を持つため、星形成過程で、 原始星の周りに必然的に星周円盤が現れる。惑星は、この星周円盤の 中で誕生するため、この円盤の形成過程やその後の進化を理解するこ とは惑星形成論を理解する上で重要である。星や円盤形成の過程は、 重力、ガス圧、ローレンツ力や回転の効果が複雑に絡み合っているた め、数値シミュレーションを用いてこれらの形成過程を理解する必要 がある。しかし、数々の制限のために、今まで、分子雲コアから直接 星周円盤が形成する過程はほとんど調べられてこなかった。この研究 では、大規模数値シミュレーションを用いて星周円盤の形成とその発 展について調べた。

結果、原始星形成段階前に形成するファーストコアが原始星形成後に、 直接星周円盤に進化することが分かった。また、原始星形成後の主降 着段階では、星周円盤が原始星よりも重いことが分かった。これは、 重力不安定によるガス惑星形成を促進する。


Last-modified: 2010-07-08 (木) 10:38:36 (5041d)