第335回

日時 平成21年10月20日 水曜日 午後5時より
場所 東京工業大学 石川台2号館 318号室 
<講師> 櫻庭 中 先生 (東京大学大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻)
<題名> 「地球ダイナモは再現できたか:コアのねじれ振動のシミュレーション 」

地球磁場の成因である、液体金属コアにおけるダイナモ作用は、現在どこまで明らかになっているといえるだろうか?本発表では、とくにコアのねじれ振動という現象に着目して、最新の数値シミュレーション結果を報告する。

半径 3500 km という巨大な金属コアでは、粘性はほとんど無視することができ、回転系でのみかけ上の力であるコリオリ力と、自己生成される電流によるローレンツ力とが重要になる、いわゆる磁気地衡流バランスがなりたっていると考えられる。その基準状態では、自転軸と共軸の円筒面に作用する回転トルクがゼロになることが、すでに Taylor (1963) によって理論的に指摘されている。この基準状態のまわりの擾乱は、近似的に波動方程式にしたがい、円筒の回転運動は、円筒の半径方向に伝搬する。これが Braginsky (1970) が指摘したねじれ振動であり、その伝搬速度は、円筒面を貫く平均磁場強度に比例する。コアとマントルとのあいだに角運動量の伝達機構が存在するとすれば、それは測地学的観測量である、マントルの自転速度(あるいは1日の長さ)の変動に反映されるはずである。

発表では、まずねじれ振動と自転速度変動に関する過去の研究をレビューする。そしてわたくしが最近おこなった地球ダイナモの大規模シミュレーションにおいて、ねじれ振動がどのように再現されているかについて、波動解析の結果を報告する。そして、現在の地球ダイナモシミュレーションの到達点およびその限界について言及する。


Last-modified: 2010-10-13 (水) 23:05:52 (4022d)