第351回 †
日時 平成24年7月4日 水曜日 午後5時より
場所 東京工業大学 石川台2号館 318号室
<講師> 田近 英一 先生(東京大学大学院 複雑理工学専攻 教授)
<題名> 「地球型水惑星の多様性,進化,ハビタビリティ」
地球が生命の宿る惑星であることには様々な理由がある.液体の水(海)の存在,それを可能とする温暖湿潤気候の形成,温暖気候を長期間維持する炭素循環のはたらき,炭素循環を支えるプレートテクトニクスの存在と花崗岩質大陸地殻の形成など.これらはすべて現時点では地球にしかみられない特色であり,それゆえ地球は奇跡の惑星と呼ばれてきた.地球は,私たちがこれまで知る唯一のハビタブルプラネットなのである.しかしながら,そうした性質を持った惑星は宇宙にたくさん存在するのかも知れない.また,地球がハビタブルプラネットの典型であると考える理由はどこにもない.むしろ惑星や惑星系の多様性を考えると,ハビタブルプラネットも多様であると考えた方がよいかも知れない.そこでセミナーでは,地球を含む「水惑星」の多様性とその進化について,いくつかの観点から考えてみたい.