第358回

日時 平成24年11月28日 水曜日 午後5時より
場所 東京工業大学 石川台2号館 318号室 
<講師> 前原 裕之 先生 (京都大学 理学研究科附属天文台 非常勤職員)
<題名> 「太陽型星におけるスーパーフレア」

 太陽フレアは太陽コロナ中で起こる爆発現象で、太陽黒点付近の磁場のエネルギーが磁気リコネクションによって熱や物質の運動エネルギー等に変換される現象である。1回の太陽フレアで解放されるエネルギーは大き なフレアになると10^32 ergにもなり、太陽系内で最大規模の爆発である。2009年に打ち上げられたKepler衛星は、本来の主目的である太陽系外惑星や星振学の分野でも多数の成果を上げているが、我々のグループはKepler衛星 のデータから太陽に近い温度や自転周期を持つ星(太陽型星)においても、最大級の太陽フレアの10〜1000倍ものエネルギーを解放する「スーパーフレア」が起こることを発見した。

 本セミナーでは、Kepler衛星のデータから発見されたスーパーフレアの性質と太陽フレアとの比較、スーパーフレアを起こす星がどのような性質を持つのかについて、Kepler衛星の測光データの解析結果を中心に紹介する予定である。

 


Last-modified: 2012-11-19 (月) 15:02:40 (4318d)