第369回

日時 平成25年11月13日 水曜日 午後5時より
場所 東京工業大学 石川台2号館 318号室 
<講師> 斉尾 英行 先生 (東北大学 大学院理学研究科)
<題名>「恒星の構造とその進化 -- 星はなぜ光り、進化し、元素を合成するのか」

<要旨>

 地球および我々の身体の重要な構成元素である炭素、酸素、及びそれよりも重い元素のほとんどは、太陽が生まれる前に存在していた恒星の内部でつくられた。 恒星は冷たい星間物質が自己の重力で集積して形成され、その構造は自己重力の中心に向かう力と、ガスの圧力勾配の外向き力との間の釣り合い(静水圧平衡)によって形成される。この力の釣り合いが内部温度を高くし、エネルギーの流れを発生させ星を光らせる。また、高温になった中心で元素合成を起こさせ、恒星の構造を変化(進化)させる。

 恒星の進化を定量的に理解するため、静水圧平衡とエネルギー保存の原理に基づき、様々な物理現象を考慮して(様々な仮定のもとに)、数値的内部構造進化モデルが計算されている。これらの数値モデルは、様々な観測データと比較され、恒星の内部構造と進化についての理解が深められてゆく。

 セミナーでは、基本的な物理法則に基づいて、我々の起源である恒星の構造と進化についての大まかな話をする予定です。


Last-modified: 2013-11-10 (日) 15:27:57 (3813d)