第392回

日時 平成28年 6月 8日 水曜日 17時より
場所 東京工業大学 石川台2号館 318号室 
<講師> 渋谷 岳造 先生(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)
<題名> 土星衛星エンセラダスと初期地球の海底熱水系生命利用可能エネルギー

 2015年、日本を含む国際共同研究チームにより、ナノシリカがエンセラダス内部海に存在することが明らかになった。日本のグループはこのナノシリカがエンセラダス内部海で形成する条件を解明するために、JAMSTECの高温高圧熱水実験装置を用いてエンセラダスの岩石‐海水反応を様々な温度条件で再現した。その結果、岩石コアと海水が少なくとも90℃以上で反応していなければならないことが明らかになった。このことは、内部海の海底で現在も熱水活動が大規模に起きていることを意味している。また、熱水・海水混合域では生命活動を支えるのに十分な生命利用可能エネルギーが発生する可能性があり、そのタイプは初期地球のものとよく似ていることも明らかになってきた。


Last-modified: 2016-06-12 (日) 19:45:00 (2874d)