第395回

日時 平成28年 7月20日 水曜日 17時より
場所 東京工業大学 石川台2号館 318号室 
<講師> 瀬戸 雄介 先生(神戸大学大学院理学研究科惑星学専攻)
<題名> ガス浮遊法によるコンドリュール組織の再現実験

 コンドリュールは、始原的な隕石に含まれる直径1 mm程度の球状組織である。太陽系形成初期に、固体微粒子の集合体が瞬間的な加熱によって溶融した後、急速な冷却によって形成したと考えられており、その特徴的な凝固組織は当時の太陽系の情報を得る重要な手掛かりである。しかし、コンドリュールの形成場を地球上で模擬することは技術的に困難な点が多く、再現実験による形成環境の制約は十分に行われていない。ガス浮遊法は、ノズルから噴き出す上昇ガスによって(溶融)試料を空中で保持するという単純なシステムであり、材料学の分野で広く応用されている。無接触状態での溶融・冷却を実現できるため、コンドリュール組織を再現する有力な手法である。本講演では、新規開発したガス浮遊システムの概要と得られた凝固組織の観察結果を紹介し、実際のコンドリュールがどのような状況で出来たのかを議論する。


Last-modified: 2016-07-11 (月) 08:45:37 (2838d)