第397回

日時 平成28年 9月28日 水曜日 17時より
場所 東京工業大学 石川台2号館 318号室 
<講師> 武多 昭道 先生(東京大学大学地震研究所 助教)
<題名> ニュートリノ振動を用いた地球深部の組成・密度測定

 ニュートリノには、時間と共に種類が変化する(ニュートリノ振動)という特異な特徴がある。変化する確率は、ニュートリノのエネルギー、生成されてからの時刻、混合角、質量、そして周囲の電子数密度によって決まる。電子数密度以外は他の実験から測定できるため、この確率を精度よく測定することによって、物体の電子数密度を測定することができる。

 従って、既知の地球の物質密度分布と地球を貫通したニュートリノの振動確率を組み合わせることで、地球深部の組成分布(質量数と原子番号の比)を測定することができる。逆に、組成を仮定すると、地球深部の密度を、地震波等の測定とは独立に測定することができる。

 本講演では、測定原理を紹介し、次いで、次世代や将来のニュートリノ観測装置を用いた場合の、測定感度について述べる。


Last-modified: 2016-06-12 (日) 19:43:47 (2874d)