第398回 †
日時 平成28年10月12日 水曜日 17時より
場所 東京工業大学 石川台2号館 318号室
<講師> 中島 淳一 先生(東京工業大学理学院地球惑星科学系 教授)
<題名> 地震発生と水
地球内部では封圧が高いため剪断破壊強度が極めて大きいことが期待されるが,地震波解析による震源過程の研究からは,断層の強度は1–100
MPaと封圧に比べ桁で小さいことが知られている.断層の剪断破壊強度を下げるメカニズムはいくつか提案されており,高い間隙圧流体の存在はその中でも有力な説の一つである.本講演では,地震波解析で捉えられている沈み込み帯の「水の影」を概観し,沈み込むプレート内の地震活動と水の関係を示す観測事実を紹介する.さらに,大地震震源域への応力蓄積過程と関係していると考えられているプレート境界での「ゆっくり地震」について,その発生メカニズムの新たなモデルを提案する.