第416回

日時 令和元年7月17日 水曜日 17時より
場所 東京工業大学 地球生命研究所 ELSI-1ホール 
<講師> 吉田 直紀 先生(東京大学大学院理学系研究科 物理学専攻 宇宙理論研究室)
<題名> 宇宙 × AI : これ以上何を知りたいのか

 地上大型望遠鏡や宇宙望遠鏡をもちいた広域宇宙観測プロジェクトが世界中で計画されています。これらのサーベイ(掃天)観測からはペタバイトを超すデータが生み出されるため、機械学習やAIを用いたデータ解析が必要になります。私たちの研究グループは、すばる望遠鏡を用いた深宇宙探査により得られる巨大撮像データと大規模コンピュータシミュレーションの結果を融合してデータ解析を行う統計計算宇宙物理学を進めてきました。その手法と成果についてお話します。機械学習と深層学習を活用した画像解析により2000個近くの遠方超新星を検出し、自動分類しました。また、重力レンズ現象による銀河の形状歪みからレンズ天体の質量や形状を自動計算する深層学習アプリを開発しました。重力レンズ天体の自動検出をめざしています。最後に、宇宙の大域的な物質分布から物質密度などの宇宙論パラメータを測定を決定するためのデータ解析手法について紹介し、将来の観測計画への展望と期待をお話します。


Last-modified: 2020-02-04 (火) 15:11:36 (1542d)