第422回 †
日時 令和3年2月17日 水曜日 午後5時より
場所 ZOOM会議
<講師> 小園 誠史 先生
<題名> 火山噴火の多様性:火道流のモデリングと多項目観測
【小園 誠史 先生】
タイトル:火山噴火の多様性:火道流のモデリングと多項目観測
要旨:
火山噴火のタイプには、巨大噴煙や火砕流を伴う爆発的なものから溶岩流や溶岩
ドームを伴う非爆発的なものまで、非常に幅広い多様性があり、一連の噴火でそ
の両極端なタイプが発生することもある。この多様性の成因解明は、現象の理解
という理学的な動機に加えて、噴火推移の予測により火山災害の軽減に貢献する
という観点からも、重要な意義をもつ。本セミナーでは、噴火の多様性を支配す
るマグマ溜まりから地表に至るまでの火道内のマグマ上昇過程(火道流)に関す
るモデリング研究について紹介する。具体的には、気泡・メルト・結晶からなる
気液固混相流である火道流の複雑な流動様式が、多様な噴火タイプをもたらすメ
カニズムについて解説する。また、火道流によって生じる山体変形を計算するこ
とで、地殻変動観測による噴火推移の検知可能性を調べる最新の研究についても
紹介する。さらに、多項目な火山観測の高精度化によって、多様な噴火様式にお
けるダイナミクスの解明が実現した2011年霧島山新燃岳噴火の研究事例を示す。